Dr.青木の日々是ウェルエイジング!

一般社団法人 日本美容内科学会を設立

2023.11.24

2000年から23年間、内科のアンチエイジング医療、美容内科医療に携わってきた集大成として、
この10月に一般社団法人日本美容内科学会を設立しました。

我が国における美容医療は、これまで美容外科、美容皮膚科といった外面からの施術を中心に拡まってきた経緯がありますが、ここ数年でサプリメントなどを使用した栄養療法に始まり、点滴・注射療法、再生医療といった、より内科的な手法を用いた治療が注目されるようになってきています。

しかしながら、未だエビデンスの集積が少ないこの分野においては、医学的な根拠がほとんどないものであっても業者先導で製剤が開発され、効果や安全性が不確実なまま、医師の勝手な裁量の下にそれらが使われているという問題が内在しています。

本来なら栄養補助食品として経口摂取すべき物質が、その安全性が担保されていない点滴で投与されたり、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬扱いである幹細胞培養上清液やエクソソーム製剤を使った点滴治療での死亡事故など、勘案すべき事例が少なからずあるのが現状です。
美容医療の本質は基本的には健康な状態にある人が、美のQOL(quality of life)を上げるために受ける医療であるべきもので、この医療を受けたことで健康を害したりすれば、それは正に本末転倒であります。

美容外科や美容皮膚科は治療を受けると比較的早くにその結果が出やすいため、素人であっても効果が実感しやすいわけですが、副作用や合併症、手術ミスなども同様にすぐにわかります。
しかし、内科は先の2つの科とは時間の流れが異なります。
外科が数時間〜数日、皮膚科が数日〜数週間で結果が出るのに比べ、内科では数ヶ月〜数年という時間がかかるのが普通です。サプリメントや内服薬の効果がすぐには感じにくいのと同様に、副作用などもすぐには出てこないこともあるのです。
昨今、流行りともいえるNMNのサプリメントでは、大手ECサイトで売られている人気商品のいくつかにおいて全くNMNの成分が含まれていない、いわば詐欺商品が売られていたということが報道されました。実は、幹細胞培養上清液製剤においても、含有成分が極めていい加減なもの(有効成分がほとんど入っていない)が流通していたことなども判明しています。
医師ですら騙されてしまっているわけですから、一般ユーザーがサプリメントなどの製品が本物なのか贋作なのか、見極めるのはほぼ不可能でしょう。
美容医療業界はこういった悪しき状況を改善していかねばなりません。

当学会は、従来からある美容外科、美容皮膚科による美容医療を補填・支持する役割を持つ美容内科という分野を明確にしつつ、本来、内科が大切にしてきたEBM(evidence based medicine)に基づく真に効果的で安全な美容内科医療を学会会員全員で構築していくことを目的としています。

今後、本学会理事長として、学問的な議論を活発に行い、美容医療領域における美容内科の健全な普及に全力で努めていく所存です。

顧問;

日本抗加齢医学会理事長 山田秀和先生

日本抗加齢医学会副理事長 森下竜一先生

理事長;

青木晃

副理事長;

池田欣生先生(東京皮膚科・形成外科総院長)

岩本麻奈先生(グランプロクリニック銀座理事長)

斎藤糧三先生(日本機能性医学研究所所長)

理事;

末武信宏先生(さかえクリニック院長)

坪内利江子先生(銀座スキンクリニック院長)

野本真由美先生(野本真由美クリニック銀座院長)

堀田和亮先生(BIANCA CLINIC 理事長)

増田陽子先生(リオルダンクリニック リサーチフェロー)

渡邊千春先生(千春皮フ科クリニック総院長)

監事;

柳澤厚生先生(点滴療法研究会マスターズクラブ会長)

 

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